早期退職教員の日常〜人生を楽しむために〜

 教員の働き方

 「学校はブラック企業だ」

 教員の働き方が、話題になっています。

「残業代が出ない」「長時間勤務が常態化した仕事量」「学校にお任せの社会体制」「休日も行われる中学校の部活動」等

 もう何年も前から「働き方改革」を文部科学省は言ってきましたが、一向に改善する見通しが見えません。コロナ感染防止のため、しばらくなくしていた行事や慰労会も復活し、また前の状況が戻りつつあります。コロナを機になくしてもよかった行事もたくさんあるはずなのに、校長や保護者の要望で前と同じことを繰り返していく学校の現実。

 これでは、教員を志願する若者も減り、採用試験の倍率も2倍にいかない状況が、全国で見られるのもわかります。

 しかし反面、教員の仕事に対するブラックなイメージが広がっているのを見て、違和感を覚えます。本来、教員の仕事はブラックではない、むしろホワイトであったはず。

 子供たちの未来を育む、夢のある仕事です。

 子供たちと過ごすのは楽しいし、人に教えるのが好きでしたから。

 教頭の職務を経験して

 「校長になることは、もうできない」

 教諭で退職するつもりだったのですが、多くの先生たちとの出会いの中で刺激を受け、校長になりたいと目標を持ちました。そのために、まずは教頭昇進を目指しました。3年かかって、昇進し、3年教頭を経験したら校長受験ができると、歯を食いしばって頑張りました。年齢制限の5回まで挑戦しましたが、夢が叶うことはありませんでした。教頭を9年努め、早期退職の道を選びました。

 校長になって「安全で居場所のある楽しい学校」を創りたいと目標を持っていましたが、その目標が実現することはない、悔しい気持ちでした。校長試験5回目の「不採用通知」を受け取った時には、呆然として動けませんでした。時期は2月中旬の寒い日でした。心まで凍るようでした。その時点で教頭職を続ける気力は残っていませんでした。

 結果をすぐに校長に報告し、「来年3月で退職させてほしい」ということを伝えました。校長も静かに受け入れてくださいました。教頭は責任が重く、8年務めて疲れ果てていました。

 それから約1年間、最後の勤務は気力と体力の勝負でした。朝、起きて体が動かないことが何度もありました。「1年は、頑張って勤めないと」「ここで、怠けたい気持ちに負けたら後悔する」そういって自分を奮い立たせました。

 早期退職後の計画

 「辞めたら何をしようか?」

 退職を決めたのはいいが、漠然と考え始めていました。早期退職なので、本来の定年62歳まで4年間残っていました。その時間は、23歳で小学校教師になり、ずっと走り続けてきた自分にとっては貴重な時間です。元気なうちに何かできることはないか?できれば、将来に残せるものを!と考え、株式投資とブログを始めてみることにしました。

 それまでの5年間は、校長試験受験のため、4月から8月は試験勉強に取り組んでいました。その時間がぽっかり空いたのです。これは、有意義に使いたいと思い株式投資やブログについての情報を集め、8月に証券会社の口座とブログの開設にこぎつけました。それは、今でも続けています。あの時、頑張ってよかったなと思っています。

 「自分のビジネスを持つ」ということにも興味がありました。10年ほど前「金持ち父さん、貧乏父さん」の書籍を読み、キャッシュフロークワドランドを知ります。「ビジネスオーナーっていいな」と単純に思いました。「教員辞めるなら、なれるかも?私も挑戦してみよう」と覚悟を決めました。YouTubeの発信を見ていると、「ビジネスは青天井」「うまく節税できる」など、心地よい言葉も聞こえてきます。

 今は、退職してすぐの4月にTwitterを始め、楽しんでいます。フォロワーを集め、自分の発信を知ってもらうよう毎日ツイートしています。ビジネスの主軸は「教員のキャリア相談」。

 若い人には、自分の時間を作っていきいきと過ごす働き方を、年配の方には健康に留意した働き方、あるいは早期退職の相談をメインにコンサルをしていきます。今は、自分を知ってもらうための宣伝が中心です。2023年7月には、KIndleで電子書籍を出版する予定です。

やっぱり旅がいい

 「旅って人生を豊かにするよね」

 教員時代から、友人と言っていました。コロナを経験して好きな時に好きな場所へ行ける幸せを感じましたし、身近な人が退職してすぐ亡くなったという悲しい知らせを聞くと、「元気なうちに、行きたいところへ行かないと」という気持ちが湧いてきます。

 教員をしていると、長期休業はあるものの実際はゆっくり旅には行けません。お盆は混むし、高いし、出かけてもゆっくり楽しめません。子供たちが幼い頃は、出かけていましたが、成人を迎え社会人になると一緒に出かけることもなくなります。寂しいことですが。

 そこで、退職したらまず友人と「旅」に行きたいと思っていました。平日の予約は、直前でも空いていることがありますし、お店も空いていてお土産もすぐ買える。いいことづくめでした。

 退職して、3ヶ月で出かけた旅行は・・・

 5月 新潟 カーブドッチワイナリー 1泊

 6月 岩手 中尊寺 金色堂 毛越寺 宮城 日本三景松島 1泊

    新潟 瀬波温泉1泊

    長野 光前寺 さくらんぼ刈り 1泊

    新潟 カーブドッチワイナリー 1泊

 7月 日本一周の船旅 20泊

   東京発、石巻、釧路、小樽、函館、金沢、境港、博多、釜山(韓国)、那覇、高知、東京着

 これからも、体力のある限り旅に出かけ、視野を広げていきたいと思います。来年は、海外に行ってみたいと思います。

 幾つになっても成長できます、人間は。

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